タロットアートで世界を探求する セレスティアルスペース

無機質な、からっぽな、ニュートラルな、中間色

無機質な、からっぽな、ニュートラルな、中間色
6日にAmazonで注文したご本が届いていたので読んでみた。


(以下駄文の連続なのでスルー推奨っす)


以前、ロンドン在住のスカイプ英会話の先生がこれ読んで感想述べて(英語で)って宿題を出してくれたのですが

それが村上春樹氏の『国境の南 太陽の西』です。

当時購入したのは画像右側の英語版です。

んでもって昨日届いたのは左側の日本語版です。

6日夕方ポストを見たので

それから読み始めたけど同日夜中には読み終えることができるくらいのボリューム感です。


当時気になっていたことがあったので

今回は日本語版でちゃんと読んでみようと思いチャレンジ。

当時、何が気になったかっていうと

その時は英語版で読んだんですが

英会話の先生に感想を述べようと(英語で)したときに

何だか感極まって泣けてきたんですよね。

何で泣いてるん?と(英語で)訊かれ

作者と主人公と同じ場所、同じ時代を共有していて、

この感覚が、わかる、だから悲しいとかなんとか答えたかすかな記憶が残っているのですが

何で悲すいいん?と(英語で)訊かれ

幸せでも空虚だ、とかなんとかそんなカンジで答えようとしたかすかな記憶が。

私は常々、村上春樹氏が英語本の翻訳なども手掛けていたこともあり、

氏の作品も日本にとらわれないボーダレス感をひとつの軸にしながら書いてるに違いない、

文体もわりとそういうテイスト醸し出してるし、

と思っておったのですが

でも、

「作者と主人公と同じ場所、同じ時代を共有していて、

この感覚が、わかる、だから悲しい」

という感想を私が抱いたという時点で

やはり日本を描いているということに他ならないのではないか?

と思うに至ったのでありました。



・・・というわけで読み返すことにしたんだよね。


作者の村上春樹氏は何度もノーベル文学賞候補に挙がっていて

そういう意味では時代を代表する日本の作家ということになるだろうね。

私はノルウェイの森読んで以降、正直苦手で読んでなかったのですが

まあ先生に言われて

文体も英訳でもおそらく読みやすい部類に入ると思うのですが

そこまで苦もなく、読み進めることができたので

とりあえず読んだっていうのが本当のところですが

なので感想を述べるその時まで、まさか自分が泣きだすとは到底思っていなかったんだわ。


そういう意味では。。。


ひょっとして、ひょっとして

心に刺さったんじゃなかろうか。。。。

み、認めたくはないが、

もしかしてこれって、これって、感動ってやつなんじゃないだろうか。

ハルキムラカミはもしや、ノーベル文学賞にふさわしいんじゃないだろうか。

こ、こんなことが頭をよぎった時点で、私は、私は、ひょっとして

は、ハルキスト

なんじゃないだろうか。。。。



そんな思いを抱きつつも

いいや、違う、私は断じてハルキストではありえない

という抵抗感が湧き上がるというしょーもない葛藤があるんですが

正直そこは今、焦点でも何でもないんだわ。



突如、話変わるけど、三島由紀夫の『春の雪』ってのを読み始めたんだわ。

なに、何なのこの美しい文体。

ってカンジで、この人のインテリ臭すごいんだけど

中核に知性に基づいた凛とした起立した感じ、シャキっと感が漂ってて

その視点からばっさばっさと描写を繰り広げる感が嫌味なくらい小気味よいんですね。

書いてて気持ちいいんだろうなこれ、っていうか。


思春期の少年の細かい感情の機微の拾い方もまあ、繊細で情報が細かいし

何かこう、脳内の血管の隅々までマッサージしてくれそうな

そんな微細な視点も感じるわ。

こちらはまだ読み始めたばかりだけど

作者の三島由紀夫が遺した言葉に

「日本はなくなって、代わりに、無機質な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な抜け目がない経済大国が極東の一角に残るだろう。」

っていうのがありますよね。


おお、まさしく!

まさにこれよこれ!


焦点としたかったのはここなのよね。



私の表現力が足りなくてろくすっぽ語れなかったけど

村上春樹氏の『国境の南 太陽の西』を読んで涙出てきたのは

こういう感じです。

無機質な、からっぽな、ニュートラルな、中間色

・・・空虚なんだよねー何か。

とっても平和で安全、

そして、無機質な、からっぽな、ニュートラルな、中間色


そっか、即ちこれが日本なんだな。現代の日本。




村上春樹はもしかして

日本の未来を憂いて切腹した三島由紀夫亡き後、

日本の文学を受け継ぐにふさわしい

無機質な、からっぽな、ニュートラルな、中間色

の世界を表出させようとしている作家なのかもしれない。

どれだけ売れても

どれだけ言葉を尽くそうとも

どれだけ多くの人が読もうとも

そこに残るのは

からっぽな空間だなんて

何だか素敵?じゃあありませんか。

そして何だかとっても!大量生産&大量消費の資本主義ってるじゃありませんか!

何にも残りゃしないんだぜ。笑かすわ。

まさしく消費する機械に過ぎなかったってこった。

やるね!狙い通りに決まってるね!



脈々と受け継がれた精神だけが

確かに残るものなのかもしれないなー

陳腐だけどこんな感じでひとまず終えとくわ。(多分、次回へつづく)






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